相模湾にのぞむ青い海の葉山で、ロシア・アヴァンギャルドのポスターを見た
神奈川県立美術館・葉山館へ、ツイッターで見つけた『松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて:ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム』展を見に行った。
松本瑠樹はDCブランド「BA-TSU」のデザイナーであり創業者であった人だという。個人でこれだけのポスターをコレクションできるのかと唖然とする枚数がある。
ロシア・アヴァンギャルドのポスターというのはアールデコ的でもあり、未来派的でもあり、1920年代の世界的な傾向の一環は感じるのだけど、やはりほかのどこにもない「ロシア・アヴァンギャルド」でしかないと感じさせる作品が多く、とても面白い。
ロシア・アヴァンギャルドは革命の成功からスターリン独裁の確立まで、年代で言えば1917-30というごく短い命のアートシーンだったが、戦時共産主義・新経済政策(NEP)・五か年計画へと展開していく中で、ポスターやスローガンの表現もどんどんニュアンスが変わって行き、実に芸術と政治が密着した感じが独特の雰囲気を感じさせる。
個人的にはエイゼンシュタインの『戦艦ポチョムキン』のあの有名なポスターの現物が見られたのが一番うれしかった。自分でオリジナルカードをつくれる企画があって、これも楽しめた。
美術館の外も海がきれいで富士山が見え、海岸の見えない彼方に葉山の御用邸があるということだった。都心からは少し遠いが、バスに乗る時間を含めても銀座から片道1時間半なので、ちょっとした気分転換にはいいかもしれない。
この展覧会は、1月26日(日)まで。